日本財団 図書館


 

太田さんは今ご覧いただいたフライブルグを視察したことがあるとのことですが、VTRで描ききれなかったものが有れば指摘していただき、また視察して一番感じられたことを教えていただければと思います。

 

●太田先生

 

一番驚いたのが、「環境と交遊」というか、まちづくりというのが全体に考えられているということです。VTRにでていた路面電車の淵のところがグリーンで緑の草が生えていて、騒音を減らす効果もありますし、景観上大変重要なポイントで、この辺も一つの例だが総合的なまちづくりの中で環境も交通も一体にする辺りが、我々としても参考になるという印象を受けました。

 

●藤田コーディネーター

 

福井さん、パーク&ライド等のいろいろなケースがでてきましたがフライブルグの例はどうだったでしょうか。

 

●福井先生

 

パーク&ライドは、日本でなかなか定着しないという定説が広まっていますが、どうしてかというと、例えば、適当な広大な敷地が日本の都市都では地価が高すぎて用意するのが難しいという非常に消極的な言い駅よりも、10分くらいの短縮の結果なら住民が率先して乗り換えるほどのメリットがないという方が本当の理由ではないかと思います。
フライブルグでもそうでしたが、市民や国全体の環境に対する意識がそもそも日本と違うのではないかと思います。とくにドイツは環境に対して非常に関心の高い国だそうです。どのくらい高いかと言いますと、TVでも扱っていましたが、日本で大人気のカップラーメンの味に取りつかれたあるドイツ人がドイツでもあれを売り出そうと一生懸命企画開発し、製品ぎりぎりまでこぎつけたのですが、発泡スチロールが環境にやさしくないということでドイツでは受け入れられないということがわかり、中止になったというのです。それだけをとっても随分違うのではないでしょうか。パーク&ライドについても元々は市民の側に環境に寄与したいという意識の有無により、進展が違うのだと思います。

 

●藤田コーディネーター

 

山出市長とうでしょうか。市民の環境に対するセンスがフライブルグのようなやり方(システム)を実現しているということですが、市民の最近の環境という意識について市長はどうご覧になっていますか。

 

●山出先生

 

21世紀は、正に環境の時代だと思っており、好む好まざるとに関わらず環境ということについて国民的なコンセンサスを得て行かなくてはいけないと思っています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION